アイザックとカイラの面会が叶ったのは、アイザックがそれを申し出てから十日ほど経ってからだった。
中に入れるのは、カイラと警備隊からの監視一名のみ。
それでも、久しぶりに自分への疑念のない視線を受けて、ザックは心底ほっとした。

「母上、お元気でしたか」

「ええ、アイザックこそ。痩せたのではない?」

「どうでしょうね。動いてませんから、体重は増えているかもしれませんよ」

軽口を叩きながら、ザックはテーブル越しにカイラと向かい合う。警備兵はふたりから一メートルほど離れた位置に立ち、ひと言も聞き漏らさないようにじっと見つめていた。

「今回の件について。母上には信じていただけると思っていますが、俺はやっていません」

「もちろんよ。あなたは王位に執着などしてなかったじゃない」

「最近は兄上ともいい関係になっていたんです。ただ、本当に最近なのでそれを証明してくれる人がいませんが」

「それに関してはナサニエル陛下が。バイロン様が、アイザックのことを褒めていたとおっしゃっていました。協力して陛下の力になれたら……ともおっしゃっていたそうです。身内の証言ですから、そこまでは信用されないでしょうけど」

「本当ですか? 兄上が」

ザックの頬が緩む。兄に認められてうれしいという感情があったことは、自分でも意外だった。

「ところで、ロ……いえ、イートン伯爵家のみんなはどうしていますか?」