*
ナサニエルは、ドルーと共にマデリンの部屋の前まで来た。
そこで、慌てて走ってくる侍女の姿を見つける。
「兵士様! よかったぁ。城内に兵士様たちが見当たらないので、皆どこかへ逃げてしまったのかと思ってたんです」
侍女は半泣きでドルーにすがってくる。後ろにいるのがナサニエルだということにも全く気づいていない様子だ。
「平民兵たちが権利を求めて暴動を起こしているのです。ご婦人方は部屋に入っていたほうが安全でしょう。……ところでマデリン様のご無事を確認させていただいても?」
「は、はい。失礼します。ベラです。開けてください」
マデリンの部屋をベラという名の侍女がノックすると、しばらくして別の侍女が扉を開けた。
「マデリン様は」
「今取り込み中よ」
唇に人差し指をあて、もうひとりの侍女が囁く。
「失礼」
ナサニエルが、侍女を押しのけて中に入る。きゃあ、と侍女たちの悲鳴が上がり、みな、奥の部屋へ向かおうとするナサニエルを止めようとした。
と、そのうちの一人が、兜の下のナサニエルの顔に気が付いた。
「……陛下?」
ナサニエルは口もとだけで笑うとそのまま奥の部屋の扉をあけ放つ。
奥の部屋の扉を開け放つ。
そこには、マデリンのほかに、ひとりの男がいた。
栗色の髪に、青い瞳。ナサニエルは初めて見たが、予想以上にコンラッドに似ていた。
男はベッドの上に座り、マデリンは彼の肩に顔をうずめていた。着衣のままとはいえ、その距離感は男女の関係を疑うに十分なものだ。
ナサニエルは、ドルーと共にマデリンの部屋の前まで来た。
そこで、慌てて走ってくる侍女の姿を見つける。
「兵士様! よかったぁ。城内に兵士様たちが見当たらないので、皆どこかへ逃げてしまったのかと思ってたんです」
侍女は半泣きでドルーにすがってくる。後ろにいるのがナサニエルだということにも全く気づいていない様子だ。
「平民兵たちが権利を求めて暴動を起こしているのです。ご婦人方は部屋に入っていたほうが安全でしょう。……ところでマデリン様のご無事を確認させていただいても?」
「は、はい。失礼します。ベラです。開けてください」
マデリンの部屋をベラという名の侍女がノックすると、しばらくして別の侍女が扉を開けた。
「マデリン様は」
「今取り込み中よ」
唇に人差し指をあて、もうひとりの侍女が囁く。
「失礼」
ナサニエルが、侍女を押しのけて中に入る。きゃあ、と侍女たちの悲鳴が上がり、みな、奥の部屋へ向かおうとするナサニエルを止めようとした。
と、そのうちの一人が、兜の下のナサニエルの顔に気が付いた。
「……陛下?」
ナサニエルは口もとだけで笑うとそのまま奥の部屋の扉をあけ放つ。
奥の部屋の扉を開け放つ。
そこには、マデリンのほかに、ひとりの男がいた。
栗色の髪に、青い瞳。ナサニエルは初めて見たが、予想以上にコンラッドに似ていた。
男はベッドの上に座り、マデリンは彼の肩に顔をうずめていた。着衣のままとはいえ、その距離感は男女の関係を疑うに十分なものだ。



