俺様天然男子

【由乃】



バイトの面接は、理音くんと話すくらい緊張した。



でも…。



「やったぁ‼︎ふたりで働けるとか、最高だよ‼︎」

「よかったね。同じ日に入れてくれるって言ってたし。頑張って仕事覚えようね」



あたしも紗雪も、無事に受かりました‼︎



制服は、黒のパンツに、ストライプのカフェエプロン。



白のシャツと、ハンチング。



もう、楽しみすぎる。



「短期じゃなく、長期になっちゃったね」

「でも、いいよ。お母さんにお小遣い貰わなくてすむようになるならさ」

「偉いね、あんた。ママ、お金持ちっぽいじゃん」

「そうでもないと思うけど…」



お客さんからいろんなブランド品もらったりするらしいけど、休みの日のお母さんはどちらかと言えば地味なんだよ?



パーカーにデニムとか。



そんなのばっかり。



「給料もらったら、おいしいもの食べようね」

「ちょっと待った‼︎あたし、デートの服のためにバイトするつもりだったんだっ‼︎」

「あははっ‼︎今それに気づく⁉︎」



理音くんとデートするために、服が欲しくてバイトを決意したの、忘れてた…。