俺様天然男子

そういえば、嵐生って彼女いるのかな。



「ねぇ、嵐生が夏にデートするとしたら、どこ行く?」

「は?デート…?」

「うん、デート」

「誰と?」

「雛森と?」

「はぁっ⁉︎」



本日最大限の驚きで、俺もビックリ。



なんでそんなに驚くんだよ‼︎



逆にこっちがビックリしたっ‼︎



「えっ、お前…付き合ってんの?」

「ううん」

「好き、とか?片想い?」

「教えないけど…」

「昼休み、オタ部の部室のカギ借りて来い。じーっくり話し合おうじゃないか」



何を話すのかと思えば、雛森のこと。



どこでどうなって、そうなったのかと。



でも、話していいんだろうか。



きっと雛森は、誰にもバレたくないと思う。



「内緒だってば」

「俺って信用ねぇなぁ…。友達として、相談くらい乗るって言ってんの」

「相談?」

「理音が絶対言いたくねぇってなら、むりに聞かねぇけどさ。俺だってアドバイスのひとつやふたつ…できると思います」



できなさそうなんだけど…。