俺様天然男子

ダメなんだろうな、やっぱり。



学校へ着くと、俺の下駄箱にあった靴に、ガッツリ悪口が書いてあった。



気にしないけどね、俺。



「おっはよ、理音‼︎」

「おはよ、嵐生」

「今日も安定の根暗な理音くんに、ビッグニュース」

「なに?」

「俺たち、秋の文化祭でステージに上がっちゃうよ〜‼︎」

「えっ、本気⁉︎」



文化祭のステージって、軽音部がガシャガシャやる場じゃないの?



出られるの?



ってか、出るの?



あの時以来、練習してなくない?



「ってかお前の上靴っ‼︎」

「あぁ、なんかこんなデザインになってたから。オシャレでしょ?」

「いやいや、確実にイジメの域…。まぁ、犯人はわかってっけど…」



うん、昨日俺に絡んできたあの女でしょうね。



あっ、忘れるとこだった。



「ちょっと行ってくる」

「何する気⁉︎暴力反対だぞ⁉︎」

「そんなことしないよ。文句も言わないから大丈夫」



一言だけ、言いたかったから。