俺様天然男子

その後に由乃からの電話はなくて。



そのまま野芝さんちに転がり込む。



何も言わずに家に帰らなかったのは、初めてだった。



「うえっ…」

「あんまり強くねぇんだから…」

「もう、しんどいっ…」

「なに⁉︎なんで泣く⁉︎」

「俺は言ったんだよ⁉︎何回も結婚しようって‼︎それなのにっ…」

「あぁ、原因、由乃ね」

「他県に移動とか、マジねぇよ…。離れてどうしろっていうんだよ…。なんで一緒に住んだのかとか、意味わかってねぇんだよ…」

「わかったから。とにかく酒抜け」



水を大量に飲んで。



寝て起きたら、仕事のために一回帰った明け方。



頭いてぇ…。



静かに入った家には、ソファーで泣き疲れて寝た由乃の姿があった。



シャワーを浴びて、着替えて。



物音で起きた由乃の目が腫れている。



「もう…嫌いになったの…?」

「…………かもね」

「…………」



家を出た。



車では行けそうになくて、スバルに迎えに来てもらって。



「酒臭っ‼︎」

「反抗期」

「あんまり母ちゃんに心配かけんなよ」

「今回ばかりは…ムリかも…」

「由乃ちゃん絡み?」

「まぁ…。別れる…かもね…」

「はぁ⁉︎浮気とか…?」

「違うけどさ。なんか、考え方とか、愛情の重さの違い?」

「重さって…。軽いとか、重いとか、それは自分しかわかんなくね?」



そうなんだけどさ。