俺様天然男子

それからすぐのことだった。



「移動?」

「うん、他店に移動だって。しかも…その、他県に…」

「なんで?他県に移動はないって言ってなかった?」

「そう、なんだけど…あの、ね?新しくお店を作るから、そこのチーフやって欲しいって…」

「他県って…。俺は引っ越せないよ」

「だよね…」

「ねぇ、俺と離れるってことだよね?その話、受けたの?」

「受けたって言うか…決定事項っていうか…」

「それで俺になんて言って欲しいの?」



久しぶりにイライラする。



結婚してって何回も言った。



仕事がしたいからと、何度も断られた。



俺はどれ程我慢すればいいの?



「その移動、いつからなの」

「来月…」

「そう。好きにすれば?」



そんな冷たい態度を取ってしまった。



そのまま家を出て、実家の音楽部屋。



「あら?おかえり」

「声かけないでね、母さん」

「わかった」



とにかく歌って、イライラを発散させようとしたけど…。



考えれば考えるだけイライラしてくる。