嵐生が恥ずかしそうに入場してきて、目が合って笑った。



羞恥に満ちた結婚式。



父親と腕を組んで、堂々とバージンロードを歩く紗雪は、今までみたどの紗雪よりもキレイだと思った。



指輪の交換なんかを終えて、ふたりの結婚に異議を唱える無粋な人なんかいるわけもなくて。



聖歌隊?



違うよね。



ギターとドラムとベースで歌う、俺の聖歌。



こんなに響くんだね、チャペルって。



とにかく、ふたりにこの先、ずっと幸せが訪れますようにと願いを込めて歌った。



外に出て、ブーケは紗雪の手から由乃へ。



すでに泣いている由乃と、もらい泣きの紗雪。



なんていい友情…。



「いいなぁ、結婚…」

「ダメだよ、スバル。泉は今はダメ」

「わかってるっての…。隠れて付き合うの、マジしんどい…」



そんな泉も、今日はここに来ているけど。



泉は恋愛の類がタブーらしくて、スバルとの関係は内緒なんです。