俺様天然男子

だけど、理音くんはあたしとの付き合いを隠すつもりは全くないらしいから。



「由乃、髪伸びたね」



なんて言って、あたしの髪を触ったり。



あえてバレるようにサングラスを外したり。



やりたい放題じゃん‼︎



さっきからめっちゃ写真撮られてるからね⁉︎



絶対出回る…。



「せ、せめて手を離したり…」



なんて、口が滑ったあたしのバカ。



今日の理音くんは、いつもより数倍精神異常者なのを忘れていた。



「ごめん、聞こえなかった。赤ちゃん欲しいって言ったの?」

「ご、ごめんなさい…」

「くくっ、おバカだなぁ」



絶対おかしい。



お互い忙しくて、こんな時間も久しぶりだけど。



知り合いの車に乗せてもらっただけで、こんなに犯罪者予備軍に近づくものなの?



「可哀想だね、由乃って」

「へっ…?」

「俺のこと好きになったのが間違いだったね」



自分でもおかしいことを自覚してるみたいで、よかったです…。