待ってる場所を由乃に連絡して、下を向いてスマホでアプリ。



早く来ないかなぁ…。



ウキウキしながら待つこと数分、向こうから歩いてくる、俺の大好きな彼女。



「由乃、おかえり」

「た、ただいまぁ‼︎」



抱きつかれた。



一瞬だったけど、こんな人の多い場所で珍しい…。



「お疲れ様」

「お迎えありがとう‼︎あっ、一緒に帰ってきたユズキちゃんです‼︎」

「由乃がお世話になりました」



そう言って頭を下げれば、半信半疑と言った顔。



そんなにバレるかなぁ…。



「とりあえず駐車場行こうか」

「うん‼︎ユズキちゃんも行こう‼︎」



さっきのコインパーキングに行き、トランクに詰め込む荷物。



俺が高級車で来たもんだから、ユズキちゃんが挙動不審になってる。



「あの、由乃ちゃん…えっと…、彼氏さんって…hackのリトくんに似てるって言われない…?」

「リトくんだよ?ね、理音くん」

「えっ⁉︎ほ、本物っ…?」



マスクを外して帽子を取れば、開いた口が塞がらなくなっていた。