俺様天然男子

俺は釣れないし、ヒマだし。



「野芝さん、カギ貸して?」

「はいよ。あっ、車ん中に飲み物あっから持ってこい」

「わかったー」



さっき見た時、トランクにいいものあった。



音楽プレイヤーとヘッドホン。



それを勝手に持って、飲み物と一緒に野芝さんの元へ。



「聞いていい?」

「あぁ」



岩に座って、ヘッドホンを着けて。



やっぱ野芝さん、いい趣味してる…。



バーストの曲も入ってて、久しぶりに聞いた。



父さん、やっぱりうまい。



歌いたくなって、次の曲を海を見ながら歌う。



バラードだし、気持ちいいかも…。



視線に気がつくと、ヒロキさんが俺を撮っていた。



「ちょっ、やめて…」

「レア動画ゲット」

「父さんの曲とか恥ずかしい…」

「いいだろ。ウタさんと違って、またいい」

「俺、ヒロキさんのも好きだよー」

「やめろ、歌うな。俺の下手さが目立つ」



仲良くなったヒロキさんが、俺の黄昏動画を勝手に自分のSNSにあげた。