俺様天然男子

そんなあたしの思いも虚しく、放課後に一緒に帰ろうと、手を繋いで校門に向かった。



「リトル先輩、好きですっ‼︎付き合ってくださいっ‼︎」



隣のあたしが視界に入らないのか、彼女と手を繋いでいるにも関わらずに告られている。



初々しくて可愛い子。



「由乃…俺の彼女のどこがいいか、10秒以内に3個言ってみて。スタート」

「えっと…か、可愛い?」

「残り8秒ー」

「ふ、フワフワ…?」

「はい、ラスト」

「せ、性格良さそう‼︎」

「そうだねー。それに、俺に超好かれてるんだよー。勝てるかなー?」

「勝て…ないです…かね…?」

「うん、勝ち目ないね。じゃ、お疲れ様」



なんつー振り方っ‼︎



その子を通り過ぎた時、また目の前に現れる女の子。



「第二夫人でいいので‼︎」



理音くんの眉間にシワが寄ってきた…。



怒ってるよ、絶対。



愛花にキレた時みたいになったら、どうしよう…。