好きな人をそんな風に言われたら、誰だって腹が立つよ。



「別に、誰に話しかけてもよくない?由乃の自由じゃん」

「は?紗雪、なに、急に」

「クラス同じで、ただ話しただけでキモいとか言われる意味がわかんない。何様なのって感じ」

「ねぇ、そこまで言われる意味わかんないんだけど」

「あんた今、それ以上のこと言ったじゃん」

「マジで言ってんの?ムカつくんだけど」



あわわわっ‼︎



あたしのせいでケンカしないでよっ‼︎



「ふたりとも、落ち着いて…」

「由乃はどっちが正しいと思うわけ?」

「そ、それは…」



怖い。



だけど、はっきり言わなきゃ。



紗雪は、あたしのために怒ってくれているんだから。



「ごめん、あたしもそこまで言われる意味がわかんない。この世に話しちゃいけない人でもいるの?」

「なんなの、あんたら。マジでムカつく‼︎行こう」



気まずそうに、教室を出て行った3人の友達。



いつもの5人グループは、これで解散かもしれない。



だけど、気分は悪くない。