俺が作って、嵐生が歌詞をつけた。



嵐生の『言葉』を壊さないように、英語と日本語が混ざった曲。



最初に一通り練習してから修平さんを呼んだ。



加えタバコでやって来た修平さんは、夜なのにサングラスをかけちゃうくらいのイカしたおじさんだ。



「スタジオ内禁煙です」

「俺はオーナーだからいいの。じゃ、聴いてみっかな」



タバコをポケットからだした携帯灰皿に入れた修平さん。



さぁ、出すよ。



「みんな、楽しんでやろーね」

「気の抜けること言うな、理音」

「だって、楽しいじゃん?いいよ、スバル」



ドラムから始まる曲。



やっぱりね、俺、スバルのドラム好きだよ。



嵐生の楽しそうなギターも、必死なタカのベースも。



これ、俺の宝物だよね。



「すっ…」



体が震える。



熱くなる。



俺、歌うよ。



じいちゃんと父さん以外の音楽関係者に聴かせるのは初めてだった。



すごく…興奮する。