俺様天然男子

いつもはグループで遊ぶのに、珍しくふたりきり。



放課後、いつものコンビニには寄らず、そのまま家にやってきた。



「なんか飲む?」

「ううん、持ってる」



どうしたんだろう。



ふたりになることなんて、最近なかったのに。



「あのさ、由乃」

「うん?」

「好きな人、できた?」

「えっ⁉︎」

「もうね、言いたくて言いたくて…由乃見てると、いつも目で追ってるんだもん」

「う、ウソでしょ…」

「まぁ、俗に言うイケメンだもんね」

「ん…?」



ちょっと待って。



紗雪、天道くんの顔、見たことあるの…?



そうか、あたし以外に目撃されてたか…。



「性格も悪くないからね、山口。いいと思うよ」

「はいっ⁉︎」

「えっ?違った…?」

「あのっ、そのっ…えっと…山口くんではないです…」

「でも、いつも見てるよね?」

「紗雪にしか…言えないんだけど…。あたしが好きなの…天道くん…」

「はぁぁぁぁぁ⁉︎」



珍しく大声を出した紗雪。