俺様天然男子

【由乃】



寒くなった空気が、耳を冷たくする。



風が強くて、髪がとんでもないことになっちゃった。



「おはよ、雛森」

「おはよー理音くん…」

「あはっ、どうしたの、可愛くなっちゃって」

「風が強くて…」



風に吹かれてグシャグシャな髪を、理音くんがペタペタ直してくれた。



理音くんは、あたしが何をやっても『可愛い』と言う。



なんか最近、慣れて来たけど。



「アレ…?理音くん、ピアスの穴増やした…?」

「あぁ、うん。無性にイライラして…ついね」



全く穴が空いてなかった方の耳に、小さなピアスがついていた。



イライラしてって…反抗期⁉︎



「理音くんっ‼︎それは誰にでもあることだからね⁉︎大丈夫だよ⁉︎」

「ん?ピアスが?」

「違う、大丈夫。うんうん、それが普通だからね?」

「よくわかんないや。可愛いからなんでもいい」



ニコッと笑う理音くんから、反抗期のようなものは感じられないけど…。