お母さんも一緒にご飯を食べた。



ふたりとも笑ってるから、解決したのかな?



「うまっ…。理音天才」

「母さん直伝」

「納得‼︎蕾さん、マジで料理上手だもんなー」

「ねぇねぇ、食ったらカラオケ行かない?俺、歌いたい。カラオケ行ったことないし」

「いいねぇ、たまには騒ぐか」

「嵐生はいつも騒いでるじゃん」



初めて理音くんとカラオケ。



紗雪がリトルヘブンの歌声にうっとりしていて、山口くんが紗雪の耳を塞いでた。



負けたくねぇとかって、ふたりで歌い出してて。



「由乃、ありがとね」

「ううん、紗雪はいつもあたしのこと助けてくれるから。少しは恩返しできたかな?」

「嵐生がね、昔のこと、後悔してるって。あたしにちゃんと向き合いたいって言ってくれた。真っ直ぐな理音と由乃見てると、自分もちゃんとしなきゃって思うみたい」

「そんな…照れるじゃん…」

「なんで好きになったのかな、あんなバカ」

「理屈じゃないんだよって、なんかのドラマで言ってたよ」

「そうだね。ほんと、そんな感じ」



笑ってる紗雪は、幸せそうだった。



たまには、親友の力になりたい。



そう思った。