俺様天然男子

静かに過ごすことが目的なんだから。



夜中までかかって、なんとかキレイになったギター。



「くぁ〜…」

「寝不足?おはうよ、理音」

「おはよう、母さん。今日、泉遅い?」

「うん、今日は撮影だって言ってたから」

「一緒にご飯食べに行こう。給料日なんだ」

「…………お母さん……泣いちゃうっ‼︎」

「えっ、えっ…?」

「もぉ〜…大好きよ、理音」



涙目で笑った母さん。



一緒にご飯を食べに行く約束をして、ギターを背中に学校へ向かった。



気分がいい。



バイトしてから、世界が違って見える。



あの職場に出会わせてくれた父さんに感謝だ。



「山口くん…」

「おっ⁉︎おはよう、天道」

「これ、終わったから」

「マジ助かるー‼︎なぁ、お前昼メシどこで食ってんの?」

「教室」

「一緒に食おうぜ‼︎楽器に詳しそうだし、いろいろ教えろよ」

「別にいいけど…」

「よし、決まり」



俺の人生が、少し騒がしくなった瞬間だった。