俺様天然男子

叩かれたことなのか、山口くんの言葉からなのかはわからない。



山口くんに押さえられている腕を振り払って、カバンを手にして教室を出て行った。



「いったっ…えっ、なにアレ。泣いてたけど」



ちょうど登校してきた理音くんが愛花にぶつかり、わけわかんないって感じの顔で。



冷え切った教室の雰囲気のせいか、みんながなぜか理音くんに視線を送っている。



「えっ?あの性格ブスのクズ、なにしたの?」



なんて、顔に似合わないことを言うもんだからみんな吹き出した。



これは…ちょっとまずいような気がするなぁ…。



「アイツが来ない方が雰囲気いいよな」

「今どきイジメとか、流行んないっつーの」



ほら。



愛花は確かに悪い。



最低だし、散々苦しめられた。



だけど、コレってクラス全体で愛花をイジメることになっちゃうよね?



「あたしらも、もう愛花に着いて行けない」

「もういいよ、疲れた」



一緒にいたふたりですら、そんなことを言い始めた。