俺様天然男子

穏やかな口調だけど、怒りは伝わってきた。



「いいよ、嵐生…」



そう言って立ち上がった紗雪が…。



パンッといい音で愛花に平手打ち。



えっ、これ、いいの…?



「おい、紗雪…」

「嵐生の過去まで探って、あんたヒマだね。あっ、遊ぶ相手いないのか。あたしらだって、あんたに構うほどヒマじゃないから」



愛花が紗雪を睨んでいる。



一歩も引く気のない紗雪。



「なに?言いたいことあんなら、言いなよ」

「知ってた?暴力って、停学になるって」

「暴力って、なに?あっ、ごめんね、手、滑っちゃったの。間違いでぶつかっちゃったみたい。謝ったから、許してね」

「ふざけないでよっ‼︎目障りなんだよ、お前ら‼︎」



そう言った愛花が、手を振り上げた。



紗雪が叩かれる…と思えば、愛花の腕を抑えるのは山口くんの手。



「キャットファイトはやめようよ、紗雪…。俺、そういうのヤダ」

「ごめん、あたしのことなら耐えられるんだけどね」

「ははっ、俺のため?可愛いとこあんね、紗雪って」

「うわっ、嵐生が理音みたいなこと言ってる」

「やめろよ、俺は溺愛主義者じゃねぇから。で、愛花、もうよくね?俺らに絡むなよ。お前、最近やりすぎててマジで浮いてっかんな」



愛花の目には、涙が溜まっていた。