俺様天然男子

【由乃】



なんて言うのかな。



着いていけない?



違う…翻弄されてる。



そう、あたし、理音くんに翻弄されまくってる。



ふたりでいれば、ずっとどこかを触っている理音くん。



それは髪だったり、抱っこされてがっちりホールドされてたり。



手とか。



それならね、まだいいの。



スイッチが入ってしまうとね…肌が出てる部分、全部触られる。



ゆっくり、ひたすら、全部を。



顔、耳、手、首。



もうね、おかしくなりそうになるの。



あの触り方。



ずっとゾクゾクさせられて、風邪でもひいたかと、勘違いするくらい。



「テクニシャン…?」

「えっ、理音が?へぇ、おめでとう。痛くなかった?」

「ち、違うからねっ⁉︎そ、そういうことはしてないからっ‼︎」



理音くんがバイトで、定休日にヒマになったあたしと紗雪は、久しぶりに放課後にドーナツ屋さんに来た。