俺には切実な悩みなのに…。



「で、どうだったんだよ、いずみん」

「えぇぇぇぇ…お兄様の前で聞く?」



俺は嵐生のお兄様じゃないんだけど?



一緒に出かけたって話は聞いた。



泉が行きたかったクレープ屋に並んで、流行りの飲み物に並んで。



まぁ、嵐生だけが並んでたらしい。



『嵐生くんって、いい人だね』と言っていた泉は、どうやら嵐生をパシリにしたらしい。



本人が全く気づいてないとこが気の毒。



「また遊んでねって…マジ天使の笑顔だったなぁ…」

「羨ましすぎ‼︎いずみんとデートできんなら、それだけでいい」

「だろ?なんつーの?もう、存在が尊い」

「尊い、尊い」



全く尊くないよ。



俺の妹だからね、アレ。



しかも、なかなか腹黒いからね。



「付き合うとか、進展の見込みは?」

「あるわけねぇじゃん。相手にされてねぇよ、俺なんか。でも、すげー可愛かった。夢見ちゃいけないって、かなり自分に言い聞かせてた」



はいはい、お疲れー。