【理音】



『我慢できるもんじゃなくね?』という、嵐生の言葉が、痛いほどわかる。



年頃の男の子の俺には、大好きな彼女の存在が媚薬のように感じられる今日この頃。



抱きしめたいのに、抱きしめると俺の大事な部分が痛いくらい暴走する。



「マジ引く…」

「ぶはははははっ‼︎」

「どうにかして、本当に…」

「抜けば?」

「卑猥なこと言うな…」

「だって、溜まるもんは出さねぇと」

「出してもムリ…」



もっぱら、俺の下半身事情の相談相手は嵐生だ。



笑われるけどね。



大人な嵐生に、俺の気持ちなんかわかんないんだ。



「お邪魔しまーす」

「スバル‼︎お前って女抱きしめたら勃つ?」

「えっ、女にもよる。セフレには勃たん」

「チェリーの理音くんが悩んでるのぉ」

「あっ、雛森ちゃん?確かになぁ…。あのクリクリの目で見上げられたら勃つかも」



俺の彼女をそんな目で見るな。



目、潰すぞ。