いつもと違う浴衣の雛森は、髪が巻かれてて、アップになってて。



頭に着いてる、蝶々の飾り。



いつもより小さな歩幅で歩く姿。



可愛い以外の言葉を使うなら…オタクみたいになるからやめておく。



可愛すぎて、どっかに連れ去って、俺だけが愛でたい。



「理音くん、わたあめ食べたい」

「いいね」



ひとつのカラフルなわたあめ。



もう、ヤダ。



わたあめと雛森…どっちも甘い。



「ねぇ、雛森…」

「どうしたの?」

「気持ち悪いくらい…」

「き、気持ち悪い…?」

「可愛い…」

「へっ⁉︎な、なに言ってるの⁉︎」

「ごめん…。今日の俺、キモかったら殴っていいから…」

「そんなことするわけないじゃんっ‼︎」



もう、胸いっぱい。



こんなに可愛い雛森が見られるなら、毎日が夏祭りでいい。



あっ、俺の頭が祭り開催中なのか。



雛森祭り…。



うぅぅぅぅぅ…。



俺がおかしいのは雛森が可愛すぎるせいだ…。