待ち合わせの駅に行けば、理音くんと山口くん。



あとふたりいるのは、理音くんのバンドメンバー。



年下に人気があるって噂の京野タカヤくんと、悪っぽい雰囲気が年上に人気の齋藤スバルくんだ。



モテるグループ…。



山口くんは男女問わず人気だし、この3人って目立つんだよね。



そこに当たり前のように溶け込んでいるのは、会いたくて仕方なかった、あたしの大好きな理音くんだ。



髪っ‼︎



短くなってる‼︎



センター分けで、ウェーブのかかった髪。



前の理音くんの髪型が、少し短くなっただけのような、そんな髪型。



カッコいい…。



「あっ、雛森‼︎」



あたしに気づいてくれた理音くんは、一瞬真顔になって。



その後に溶けるような笑顔になった。



「理音くん、髪、いいね」

「雛森はどうしたの。超可愛い」

「そう…?」

「可愛い、可愛い。すっごく、可愛いね‼︎」



みんなの前でそんなに『可愛い』を連発されると、なんだかいたたまれない気持ちになるのでやめてほしい。