捨てられた子犬みたいな顔の嵐生。



泊まるって、なん連泊する気…?



「父さんに聞いてみるから…」

「えっ⁉︎ウタいんの⁉︎」

「今母さんと久しぶりのデート中。そのうち帰ってくるよ」

「やべっ、ドキドキしてきた…。ん?ってことは…理音くん、由乃とふたりきりだったのぉ?」



なに、そのヤラシイ言い方…。



邪魔しといてよく言うよ。



「脱童貞?」

「してません」

「チャンスだったのに」

「でも…抱きしめた…」

「はははっ、ピュア‼︎」

「嵐生は童貞?」

「んなわけねぇだろ。俺、中学ん時結構遊んでたし。俺の中学、荒れてたってのもあんのかもしんねぇけど」



そうなのか…。



中学生とか、早すぎない…?



「あの、さぁ…」

「うん?」

「抱きしめただけで…下半身ヤバかったんだけど…」

「ぶっ…だははははっ‼︎やべぇっ、笑わせんなよっ‼︎ははははっ、腹痛ぇっ」

「いや、マジで。切実に。本当に焦った…」

「くくっ…。あー、それは、まぁ、アレだ。お前も期待してるってことだ」



そう、なの?



なんの意識もしなかったはずなのに。