俺様天然男子

えっ、女の子って…こんなにフワフワしてるんだ…。



いい匂い…。



「雛森…、大好き…」



勝手に口走った言葉の返事は、雛森が俺の背中に回した手の力強さでわかった。



ねぇ、こんな時に悪いんだけど…。



下半身がヤバイ。



ムリムリムリっ‼︎



「雛森っ‼︎」

「ん…?」

「ごめんっ、ドキドキしすぎて…俺が死ぬ…」

「あははっ、なにそれ‼︎」



マジか。



抱きしめただけでこんな…。



ものすごく恥ずかしくて、とにかくバレたくなくて。



ぬいぐるみが今俺の膝の上になかったらと思うと、冷や汗が出る。



バクバクの心臓に比例するように下半身に集まる熱をどうにかごまかす。



おさまれ、マジで‼︎



今、完全に動けないじゃん。



本気でダサい…。



「ねぇ、理音くんって、ここで歌ってるの?」

「ん?あぁ、違う部屋…。嵐生たちとバンド練習にも使ってる、防音の」

「見てみたいっ‼︎」



雛森さん、ちょっとだけでいいから…そっとしといてっ‼︎