まさか父さんが休みだとは思わなかった。



「わぁ‼︎理音の彼女さん⁉︎初めまして、お母さんです‼︎」

「ははははっ、初めましてっ‼︎雛森 由乃と言いますっ…」

「可愛い〜‼︎ウタくん、可愛いねぇ‼︎」



顔が真っ赤な雛森が可哀想になって来て。



盛大に干渉したい両親に『部屋に行くから』と言って歩き出した。



すると、肩にズシっとした重み。



「我が息子よ」

「なに、父さん…」

「避妊はしてくれよ?」

「は…?」

「俺からのプレゼント。むふっ」



雛森に見えないように握らされたなにか。



手を開けば、授業で習った避妊の道具。



「と、父さん…」

「礼はいらねぇよ」



なんて、カッコつけてるけど。



あのさぁ、こういうことするために呼んだんじゃないからね⁉︎



なに考えてるんだ、バカ父さん。



「いらないよ…」

「まぁまぁ、とっときな。いざという時、役に立つから。じゃあ、俺たちは久しぶりにデートしてくっからねー」



これ、どうすればいいの?