こうしてからかわれることが増えた。



天然のくせに。



「理音くんって、たまに意地悪だよね」

「そうかな?雛森、可愛い反応するんだもん」

「理音くんのボケっぷりの方が可愛いよ…」

「えっ、俺ボケてないよ?」

「そ、だね…」



わかってないとこからして、もう天然決定なんだよ、理音くん…。



こういうとこ、可愛いなぁ…。



「ねぇ、雛森」

「ん?」

「俺ってネットの住人じゃん?なんかね、連絡きたんだよね」

「どちら様から?」

「大手の芸能事務所。デビューを前提に所属をどうのって」

「うわっ、それってスカウトじゃ…」

「そうなのかな?詐欺とかかな?」

「わかんないけど…。理音くんは歌手になりたいの?」

「なりたいか、なりたくないかって言われたら…なりたいよ。歌うの、好きだし。でも、人前に出て話したりするの苦手だし。そういうの、バンド組んだら4分の1だよって、嵐生が教えてくれて」



それって、4分の1になってるのだろうか…。