[洸夜side]
『霜月』洸夜になる前、俺は『河崎(かわさき)』洸夜だった。
俺の父さんが事故で死んだ時、周りから可哀想な奴に認定された。
スーパーにお使いに行けばおばさんに「大丈夫なの?」と言われ。
学校に行けばみんなに「河崎のとこ、父さん亡くなったんだろ」と、哀れむように言われ。
先生にも「河崎、なんかあったら言えよ」と、特別扱いされる。
そんな毎日にうんざりしていた。
中学に上がった頃。
再婚するという話を聞かされて、でも俺は、全く興味がなかった。
連れ子は俺と同い年の女子ということも聞かされていた。
できれば関わりたくないと思っていた。
うちにやってきた彩愛は、あっちから俺らを避けていた。



