「俺、二葉ちゃんのこと好きになっちゃった」

嘘でしょ?

「これからは本気でいくよ?」

あまりにも本気すぎる顔に驚いて、わたしは外に出てしまった。




そのまま走って近くの公園に行った。

公園のブランコに座ると深呼吸した。

蓮くんがわたしを好き?

何かの間違いでしょ。

だって、アイドルだよ!

あり得ない、あり得ないから!

「なんで…」

「ここに居たんだ」

蓮くんが息を切らして来た。

「どうしてここが…」

「なんとなくかな」

蓮くんはわたしの隣のブランコに座った。

「ごめん、困らせるつもりはなかったんだ」

困ったんだけど!

「ただ、可愛くて我慢出来なかった」

「…景斗くんはもっと強引だから」

「俺の前で景斗の話はやめてって言ったじゃん?
それとも、もう一回キスして欲しいの?」

わたしは首をぶんぶん振った。

「…からかいすぎた」

蓮くんは立ち上がると、手を差し伸べてくれた。

「仲直りの印に何か奢るよ」

「ありがとう」

わたしはその手を取って、立ち上がった。

「近くにコンビニしかないんだけど、それで我慢してくれる?」

「いいよ」

蓮くんはコンビニのアイスを買ってくれた。

「バニラで良かった?」

「うん」

今日はいつもより冷たく甘く感じた。