久しぶりに実家に帰ると、お母さんとお父さんが優しく感じた。

家族ってこんな感じなんだな。

しばらく会ってなかったから忘れていた。


「二葉が戻ってきてくれて嬉しいよ」

お父さんはそう言うけど、わたしはもっと景斗くんと一緒にいたかった。


わたしは学校に行く気力もなくて、ずる休みした。

「二葉、今日も学校に行かないの?」

「…うん」

もし行って、景斗くんに会ったら嫌だし。

きっと、会ったら泣いちゃう。

お母さんはそれ以上何も言わず、わたしを放って置いてくれた。



自分の部屋には景斗くんのグッズで溢れていた。

景斗くんの家には持っていかなかったけど、わたしもファンだからグッズを集めている。

それに景斗くんと同棲してるなら、グッズがなくても景斗くんを見てればいいって思ってた。

いつの間にファンの好きから恋の好きになったんだろう。



多分、突然されたキスぐらい?

いやもう少し後か。

アイドルに恋するのが間違いだった。

わたしが景斗くんの邪魔な荷物になってたんだもん。

景斗くんにはアイドルでいて欲しいって思ってたのに。

わたしが欲張りだからこうなっちゃったのかな?

愛想つかれたんだ。

きっとそうだ。