事務所のドアを開けると、俺はプロデューサーに頭を下げた。


「会見で報道を認めたいと思います」

「まだそれを言うのか!」

「はい。プロデューサーが分かってくれるまで言います。俺は彼女と別れましたけど、彼女への気持ちは捨てません」

プロデューサーは俺の顔をじっと見た。



「…お前の話を聞こう。座れ」

「はい、ありがとうございます」

俺はソファーに腰かけると、話を続けた。

「俺はまだアイドルとして未熟です。
perfectみたいなナンバーワンアイドルになれません」

「ほう、それで?」

「これから努力します。
彼女と会いません、連絡も取りません。アイドルに専念します。俺を待っていてくれるファンの期待に応えたいんです。
…ナンバーワンアイドルになったら恋愛禁止を取り消して頂けないでしょうか」

プロデューサーはお茶を飲んでから、俺に言った。

「…分かった。ただし、成人する前までにナンバーワンになったらな。それを過ぎたら一切禁止する」

「それでも構いません。
俺は必ず二十歳までにナンバーワンアイドルになるんで。…失礼しました」

そう言い残し出ていった。



必ず一番に、ナンバーワンになってやる!