十歳の時、景斗くんの両親が交通事故で亡くなった。
「……お母さんっ……お父さん!!」
お仏壇の前で毎日泣き叫んでいた。
学校も何日も休んで、独りでずっと。
「景斗くん……?」
プリントを届けに行った時、景斗くんはアルバムを破っていた。
「ダメだよ!景斗くんっ!!やめて!!」
「うるさいっ
……二葉には関係ないだろっ!!!」
泣きながら破っている景斗くんの手は止まらなかった。
わたしは思いきって景斗くんの頬を平手打ちした。
「そんなことしても何も変わらないよ!!
景斗くんは家族の楽しい思い出を失くそうとしてるんだよ?
ダメだよ、そんなの……」
景斗くんの大切な思い出を破るなんて、絶対ダメだよ。
「………お前はいいよな、家に帰ったら出迎えてくれる家族がいて。
でも、もう俺にはいないんだよ。
ばあちゃんもじいちゃんも居ない俺にはお父さんとお母さんしか居なかった。
唯一の家族も居なくなった俺はこれからどう生きればいいんだよっ!!!
俺のそばにはもう……誰もいないんだ」
景斗くんの心からの叫びだと思った。



