まだ返事を貰っていない。

きっと振られるんだろうなって思ってるけど。

ピコン。

『返事をさせて下さい。この間の公園で待ってます』

二葉さんからだ。

なんていいタイミングなんだ。

僕は帽子とマスクをつけると、家を飛び出した。




「あ、二葉さん」

公園に行くと、二葉さんはもう居た。

「返事してもいいかな」

「うん」

「ごめんなさい。わたしが好きなのは景斗くんだけでこれからも変わりません」

二葉さんは深々と頭を下げた。

「うん、知ってたよ。だから、顔あげてよ」

顔をあげた二葉さんは困ったような表情をした。

「…巧海くんの気持ちは嬉しかったよ」

「……っ」

そんなこと言われたら諦めきれなくなるじゃん。

「二葉さん、景斗と仲良くね」

「うん!」

二葉さんが帰ったあと、僕はベンチに座った。

振られちゃった…。

「あれ、なんで泣いてるんだ?」

涙が垂れてきて、驚いた。

僕、そんなに本気だったんだ。

「……っ、ふ、っ…」

涙を抑えようとするけど、止まってくれなかった。