僕は普通の中学に通っていながら、アイドルとして活動をしていた。

『rainbowの西巧海』として一躍有名になると、色んな人にサインや握手を要求された。

初めは嬉しかった。

これで少しは『rainbow』の好感度が上がると思って、自分のことを考えてなかった。



しばらく経つと男子が僕を無視するようになった。

そんなもの一瞬のひがみだと思っていた。

だけど、言葉で悪口を聞いてしまった。

「巧海ってアイドルだから気取ってね?」

「根暗インキャの癖によぉ」

「それな!調子乗りすぎ」

確かに僕はあまり人と話さず、教室の隅にいるような奴だった。

だけど、『perfect』を見てアイドルになりたいって。

こんなかっこいい人になりたいって思ったんだ。

気取ってなんかないし、調子にも乗ってない。

だって、まだ駆け出しのアイドルでしかないから。

そんな僕たちは地道に活動するしかないんだよ。

いつか『perfect』を抜きたいから。

何も知らない人にこんなこと言われたくない。

自分でも分かってるんだよ。

言われなくたって僕はアイドルに向いてないことぐらい。

それでも、仲間が居るから頑張ろうと思うんだ。

僕を必要としてくれている人がいるんだ。

ファンも親も兄弟も、みんなに支えられているんだ。