僕の背後にナリスマシ

「納得できねぇな。」
周治が言っている。妙高は周治が何を言いたいのか分かるがそのまま言わせておいた。
「おかしいよな。俺たちの携帯でのやり取りやパソコンに書いてる小説をパソコンで 覗いてるのはDJ連中だぞ。それをどうして俺たちが悪口を言ってる悪いやつだと悪役にするんだ。」
 そんな時の妙高の答えはいつも決まっている。
「それは奴らが業界人だからだ。人間じゃない。感覚が感覚が一般人とは違うんだ。」
 周治は〈そんなことは分かってるよ。〉と言う顔で喋り続ける。
「それだけならまだいいぞ。俺たちのメールを丸写しでいろんなサイトに書き込んで、まるで俺たち自身が書き込んでるように見せかけて悪役にしてるだろ。おかげで警察からは行動確認(こうかく)だ。」
 妙高も警察の行動確認には不満がある。
「それにしても警察がだな、どっちがおかしいのか見抜けないとな情けないな。」
 周治は納得していない。
「警察内部にも業界人に加担する者がいるって事だ。 業界人のメスが枕営業(まくら)してるかもしれないな。 警察は自分たちの失態は隠蔽するからな。 初動のミスと覗きだ。」
 確かに周治の言う通りだ。これだけあからさまに自分たちになりすまして書き込みをしているのに誰一人逮捕されない。書き込みが減るどころか自分達は行動確認だ。被害届が出てないとか通報していないというのはあるだろう。妙高と周治がメールで行うやり取りは意図して不適切な表現を交え、通常のサイトにこのような書き込みをしたらいつ逮捕状が出てもおかしくない。それでも警察が動かないということは覗いている連中が非合法的だからだろう。これだけコピペ拡散を繰り返しても何も表に出ていないというのは業界のグレーゾーンで全てが行われているに違いない。