貪欲に愛を欲す

…と、言いたいところだけれど
ここで相手の好意を無下にする方が馬鹿よね。

実はというと、誘拐されたのは
3回目。

…2つともストーカーからだったから、
お姫様なんて言われる今回みたいなパターンは
初めてだけど…


さっきもいったけれど、私は自分の容姿は分かっている。

思春期というのにニキビ1つ出来ないこの肌も、
極め付きなんて言われる大っ嫌いな黒子も、
世間から見たら“美しい”ということは。

人差し指を口の左側に立て、
頬を少し膨らませ、困り眉で相手を見る。
「え、っと…ここは?貴方は…だれ?」

見た目はキャバ嬢みたいな私。
その見た目で猫撫で声なんて出したら
完全なる売春女に見られる。

何も知らないような純情無垢の女の子を演じることで、そのギャップにやられて、更に私を好きになってくれる…


…世界で一番大っ嫌いな彼奴が教えてくれた。


「っ、ここはっ、羅朱の倉庫だよ。」

…羅朱。
…いやいやいや!?羅朱って何!?

内心焦りまくりの私を隠し、
笑みを張りつけ、「そっか」という。