貪欲に愛を欲す

「んっ…」
目を開けると、見たことの無い景色が広がっていた。
倉庫のシャッターのようなものに囲まれている部屋。埃臭い匂いが広がっている。

隣には、先程助けたはずの男が
更に傷を増やし、寝ていた。

痛む体を無理やり起こし、きょろきょろと
辺りを見回すと、
複数の男達がいた。


「あ~?お姫様のお目覚めだねぇ?」
瞳みたいな間延びした声。
顔はそんなに悪くない。けれど、
隣にいる男とは、似ても似つかない汚い金髪ロン毛とじゃらじゃらとしたネックレスが
普通以下にまで男のレベルを落としている。


…汚って言葉がこんなに似合う男はいないわね。

それにしても、お姫様って…?
そう思い、首を傾げる。

ゆっくり首を右に傾げた途端、
目の前の男が息を飲んだ。


「ふふっ」
こんな状況でも、声を出して笑えるって度胸あるわよね。

けれど仕方がない。私のことを拉致したのに、
今更になって惚れられても笑いしか出てこないのだから。


目の前の男にニコリと微笑むと、
その男は私と金髪が横たわっているベッドに腰を下ろした。


「お姫様、可愛いねぇ?
…俺のものにならない?」

ツッコミどころがありすぎる。