貪欲に愛を欲す

「…鷹人?」

名前を呼ぶと、ゆっくりと此方に顔を向け、私へと手を伸ばす鷹人。

「…おせぇ。」

早く来い、と手をぴらぴら動かされる。

コクリと頷いて、珈琲とホットミルクを机に乗せると、鷹人の足の間に挟まる。

「あ、ありがとうございやすっ!!」

飲み物を用意しただけなのに土下座をするマサさんを必死で止めて、
ようやく普通の形に収めることが出来た。

「…ところで鷹人、これは何?」


鷹人の足の間から顔を後ろに向ける。
当の本人はゆるゆるの顔で私の髪に手を通している。

「ん?あぁ、マサが悪ぃんだ。
おい、片付けろ。」

低い声の鷹人に、「は、はいっ!」と焦りながら返事をしたマサさんは散らばった本を片付ける。

「マサさんっ、そんな事しなくていいですから…ここ、座っといて下さいっ!」

少し大きな声を出すと、コクコクと何度も首を縦に振ったマサさん。

そして私は、鷹人の足の間から抜け出し、
救急箱を持ってくる。


「…おい、麗?」

珍しく、私にも低い声を発した鷹人。
けれど、これは鷹人が悪いから無視を決める。

私が救急箱を持ってきたのは、勿論、
マサさんの傷を処置するため。

中から消毒と布と絆創膏を出す。