貪欲に愛を欲す

そう。本当に誰でもいいんだ。

その愛の形が、恋でも家族愛でもなんでもいい。
私を見てくれるなら、誰でもいいんだ。
ただ、大切にされたかった…


するといきなり抱き上げられた身体。

「「えっ!?」」

私の驚く声と、マサと呼ばれた金髪の彼の
驚く声が被る。

「いきなり、何ですか」
私の声に、ニコニコと効果音がつきそうな程
微笑む彼。

何も答えずに、私を抱き上げたまま、
歩く彼。

コツコツと足音を鳴らしながら歩く彼に、
たくさんの人達が頭を下げているのが分かる。

…え?この人すごい人なの?…


私を抱き上げたまま、どんどん進んでいって、
埃臭い倉庫を抜けたと思うと、
黒塗りの車に乗った彼。


「出せ。」

「へっ、へいっ!
えっと、何処に…」
漆黒の彼の言葉に、キョドりまくりの運転手さん

「マンション」

「…へっ、へいっ!」

驚きすぎじゃない?何だか不安になってきた…

事故りそうな勢いの運転手さん。
ねぇ、この人大丈夫?と聞こうと、顔を上げる。



…うん、やっぱりイケメン…
さっきも思ったけれど、近くで見ると、更にカッコよく見える。

「…どうした?」

「いや、えっと…
何処に…行ってるの?」