貪欲に愛を欲す


それから、暫くの間抱きしめ合っていた私達。

泣きすぎて、声が掠れていることに気づいてくれた鷹人が水を飲ませて、
寝室から出てリビングに向かった。

ソファに座っても、鷹人の上に跨るように向かい合って座っている私。

先に口を開いたのは私。
「…瞳は、どうなったの?」

正直、身体の震えが止まらなくなった所で鷹人が来た時のことまでしか覚えていない。

「あの女には会わせねぇ。二度と、だ。」
有無を言わせない声。
その目には激しい憎悪が映っている。

「言っただろ?お前を傷つけた奴は消すって。そして、二度とお前には会わせねぇ。」

無慈悲なその姿は極道の若頭で。
何だか遠く感じて、私の心に不安を落とす。

「…殺しは、しないよね?」
極道の世界では、殺しなんてのは普通にやってのける。

「…さぁな。あの女は愁が壊す。」

淡々と言う鷹人。でも、愁…?

分かっていない様子の私に、
ふっと笑った彼は、頭を撫でて説明してくれる。

「人の壊し方なんてな、それぞれだ。
あのクソ女に1番効く壊し方は…
“自分が敗者になること”だ。」