貪欲に愛を欲す

勿論、心配なのもあるけど、
今どきスマホ持ってない高校生なんて居ないからね~

「ああ゛?てめぇの連絡先も入れてんのか?麗、消せ。」

…さっきまで甘い雰囲気を醸し出してた鷹人が嫉妬で般若に早変わり。

…此奴はどれだけ嫉妬深いんだよ。

「いやいや…嫉妬してんのは分かるけどさぁ、安全のためでもあるから。
俺の連絡先入れといてね?」

麗ちゃんにウインク。


俺のウインクにも、鷹人の嫉妬にも何の反応も示さない麗ちゃんはスマホをじっと見つめている。

「麗?」

何時も違う麗ちゃんに、鷹人が心配そうな声で話し掛ける。

バッと顔を上げた麗ちゃん。

頬を赤く染め、口元は緩んでいる。


「スマホなんて、持つの初めて。
周りはみんな持ってたんだけど、私にはそんな余裕ないし…連絡とる相手も居ないから持ってなかったの。」

俺が渡したスマホを嬉しそうに見つめながら話す彼女から出るのは、辛い過去で。

暖かい空気を出す彼女とは裏腹に、
俺の心は締め付けられていた。

「彼氏からピアスを貰うのも、ネックレスをお揃いにするのも、憧れだったんだ。
クラスの女の子達が嬉しそうに話しているのを見ながら、いいなぁって思ってた。」