エレベーター

しかし、寸前のところで思いとどまる。


仮に真紀恵先輩が信用してくれたとしても、それで巻き込んでしまうことになるかもしれないのだ。


大切な人をこれ以上巻き込むわけにはいかない。


「……いえ、なんでもないです」


あたしはそう言い、無理に笑顔を浮かべたのだった。