「昨日だって、気が付いたら美知佳は教室に1人になってたんだよ?」


「あ……」


そういえばそうだった。


昨日は意識的にエレベーターに近づかないようにしていたのに、近づかざるを得なくなってしまったのだ。


もし、またあんなことが起こったらどう対処していいかわからなかった。


「ねぇ、もう1度真紀恵先輩に話が聞きに行かない?」


「真紀恵先輩に?」


あたしは頷いた。


今のところエレベーターの噂について詳しく知っていそうな人は真紀恵先輩しかいない。


真紀恵先輩がどこまで知っているか疑問が残るけれど、もう1度しっかりと話が聞きたかった。


「わかった。昼休憩に時間がもらえるか、連絡しておこうね」


一穂の言葉にあたしは頷いたのだった。