早く通り過ぎてしまいたいのになかなか前に進まない。
『そうだ美知佳! もう1階まで降りてきてるんだから、窓から出たらどうかな!?』
一穂が大きな声でそう言ったのであたしは窓へと視線を向けた。
校舎の外に人影は見えない。
けれど校舎から出てしまえば現実世界に戻れるのではないかという、期待があった。
「やってみる」
あたしは一穂へ向けてそう言うと窓に手をかけた。
そのまま横にひいてみるが……動かない。
窓に鍵はかけられていないのに、少しも動いてくれないのだ。
さっきのシャッターの時と全く同じだ。
何度か力任せに窓を殴ってみたけれど、割れる気配もなかった。
「ダメ、ここからは出られないみたい」
『そんな……』
一穂が愕然とした声を出す。
『そうだ美知佳! もう1階まで降りてきてるんだから、窓から出たらどうかな!?』
一穂が大きな声でそう言ったのであたしは窓へと視線を向けた。
校舎の外に人影は見えない。
けれど校舎から出てしまえば現実世界に戻れるのではないかという、期待があった。
「やってみる」
あたしは一穂へ向けてそう言うと窓に手をかけた。
そのまま横にひいてみるが……動かない。
窓に鍵はかけられていないのに、少しも動いてくれないのだ。
さっきのシャッターの時と全く同じだ。
何度か力任せに窓を殴ってみたけれど、割れる気配もなかった。
「ダメ、ここからは出られないみたい」
『そんな……』
一穂が愕然とした声を出す。



