エレベーター

グィーン……。


微かな機械音。


それは明らかにエレベーターの方から聞こえてきているのだ。


あたしは大きく息を吸い込み、生唾を飲み込んだ。


あの時と同じだ。


全く同じことが起こっていると、直感的に感じた。


すぐに逃げた方がいいと頭では理解している。


それでも行動が伴わないのは、古い校舎があたしの足を掴んで離さないからだった。