エレベーター

そこにあったのは真っ暗な教室だった。


部活動が休みの曜日以外は必ず明かりがともっていて、中から生徒たちの声が聞こえてきているはずの教室。


『部室に誰もいないの?』


その声は一穂だった。


あたしはカメラに自分の姿が映っていないことも忘れて、何度もうなずいた。


徐々に口の中がカラカラに乾いていくのを感じる。


その瞬間、また聞こえた。