なんだろうと思いながらも、なんとなく嫌な予感が胸をよぎる。


また肝試しとかの話だろうか?


幸生ならすぐに食いつくだろうけれど、あたしはそれほど得意じゃなかった。


《一穂:今度は美知佳が1人で放課後残ってさ、充弘に実況中継すればいいんだよ!》


そのメッセージにあたしは目を丸くした。


やっぱり肝試しの話だったかと落胆しつつも、『実況中継』という文字に目が奪われた。


《美知佳:実況中継ってどういうこと?》


《一穂:スマホでビデオ通話をしながら肝試しをするってことだよ! 今回なにも起こらなかったのは放課後1人になってなかったからかもしれないじゃん? だから今度こそ、美知佳1人でやってみるんだよ!》


一穂からのメッセージにあたしは深く嘆息した。


確かに今回は4人で残っていたからなにも起こらなかったのかもしれない。


けれど、あたし1人で肝試しをしたところでなにも変わらない気がした。


なにより、そんなことで充弘があたしを見てくれるようになるとも思えない。