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それからあたしたちは各階のエレベーターの前で立ちどまり、ボタンを押したり扉を開こうとしてみたが、やはりビクともしなかった。


「噂はただの噂だったのかぁ」


1階まで降りて来た時、幸生が残念そうな声で言った。


1階も昨日とは違い、各教室から光が漏れていて話声が聞こえて来る。


「まぁ、そんなもんだろうな。俺、そろそろ部活行くから」


充弘がスマホで時間を確認してそう言った。


どうやらタイムリミットのようだ。


「おう。頑張れよ~」


部活へ向かう充弘を4人で見送ったのだった。